伊波まじむ(28歳)は、祖母と母との三人暮らし。まじむという名前は祖母がつけてくれた。沖縄では、心のことを「ちむ(肝)」と言う。真の「ちむ」で、まじむ。真心という意味が込められている。そんな祖母と母はふたりで豆腐屋を営んでいる。いつかは自分も店を継ぐのだろうと、日々を流して生きているまじむには、仕事帰りに祖母と通うバーがある。そこである日、ラム酒の美味しさに衝撃を受ける。折しも彼女が契約社員として勤める琉球アイコムで社内ベンチャーコンクールが開催され、まじむは『南大東島のさとうきびでアグリコールラムを作る』という企画で応募する。まだ若いまじむは、自分が夢を抱くことで、周りの人々に様々な影響を及ぼすことになるとは、想像もしていない。しかし、それはやがて、家族、会社、島民を巻き込む一大プロジェクトへと発展してゆく。まじむは、動き始めた自分の人生に、個性豊かな周りの人々の人生に、ひたむきに向き合ってゆく。