耳の聞こえない父・シャオマー(チャン・イーシン)とろう者のコミュニティで暮らす7歳の娘・ムームー(リー・ルオアン)は「私がいないとパパはお金を稼げない」と小学校には通わず、日々父親を支えていた。そんな折、5年前に離婚して出ていった母親が「ムームーに“普通”の生活をさせたい」と引き取りに戻ってくる。彼女なりに娘の将来を考えての提案だったが、シャオマーは取り合わず、親権をめぐって裁判で争う事態に発展してしまう。娘との生活を守るべくシャオマーは新たに仕事を始めるが、耳が聞こえないことから職場でトラブルが相次ぎ、立ち退きを命じられる。追い詰められた彼は、意図的に事故を起こして自動車保険をかすめ取る闇ビジネスに加担してしまうのだった。ただ一緒にいたいだけなのに、非情な運命に引き裂かれていく父娘。分かちがたい絆で結ばれた2人の愛は、逆境を乗り越えられるのか――。