紀元36年ごろのシリア(本演出ではヴィクトリア朝時代)。キリストの到来を予言したヨカナーン(新約聖書の「洗礼者ヨハネ」)は、王ヘロデが兄弟の妻ヘロディアスを奪って結婚したことを非難した罪で投獄されている。ヘロディアスの連れ子サロメは、獄中から聞こえるヨカナーンの声に惹かれ、彼を牢から出させて面会し、ヨカナーンの虜になってしまうが、激しく拒まれる。ヨカナーンへの欲望に取りつかれたサロメは、自分に気があるヘロデの求めに応じて踊り、褒美に「ヨカナーンの首」を所望する。ヘロデは震え上がるが、約束を破るわけにはいかない。銀の盆に載せたヨカナーンの首を手に入れたサロメは、その唇に接吻する。恐れをなしたヘロデは…。