愛する息子は、殺人犯か、被害者か。それとも―
息子を信じたい父と守りたい母。家族がたどり着いた答えとは?ラストの真実に号泣必至のサスペンス・エンタテインメント。
一級建築士の石川一登とフリー校正者の妻・貴代美は、一登がデザインを手掛けた邸宅で、高校一年生の息子・規士と中学三年生の娘・雅と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。高校受験を控えた雅は、一流校合格を目指し、毎日塾通いに励んでいた。
冬休みのある日、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。
警察の調べによると、規士が事件に関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が流れる。
父、母、妹―それぞれの《望み》が交錯する。
読書家のためのブックレビューサイト「ブクログ」のアンケートで、驚異の読者満足度100%を獲得、2016年の「週刊文春ミステリーベスト10【国内部門】」にもランクイン。「犯人に告ぐ」、「検察側の罪人」でも知られる雫井脩介が、執筆時に最も苦しみ抜いたという、渾身の力作にして代表作。20万部超えのベストセラー小説の映画化が遂に実現!
たとえ被害者だとしても無実であってほしいと願う父の石川一登に扮するのは、あらゆるジャンルの様々な役を我が物にしてきた国民的俳優、堤真一。殺人犯でもいいから生きていてほしいと祈る母の貴代美には、今や日本のエンタテインメントに欠かせない存在となった石田ゆり子。ふとしたボタンのかけ違いから道を外れていく息子の規士には、次々と話題作に起用され、今観客が最も観たい逸材、岡田健史。兄のことは大好きだが、自分を待ち受けていたはずの輝く未来が壊されることを恐れる妹の雅には、突出した才能で観る者を魅了する清原果耶。
監督は、娯楽大作から社会派作品まで幅広く手がけながらも、一貫して人間の真実を見つめてきた、『人魚の眠る家』『十二人の死にたい子供たち』の堤幸彦。
家族がたどり着いた、被害者でもない殺人犯でもない〈3つ目〉の答え、それこそが愛する息子の本当の〈望み〉だった──切ない真実が放つ暖かな光に魂がむせび泣く、サスペンス・エンタテインメント。