食は人の天なり。
最も愛らしく、優しく、涙なしでは見られない人情噺。 新たな時代に贈る温もりと感動を、冷めないうちに召し上がれ。
時代は享和二年の大坂。暮らし向きは違えども8歳の澪と野江は、まるで姉妹のように仲の良い幼なじみだった。「何があってもずっと一緒や。」
しかしそんな二人が暮らす大坂を大洪水が襲い、澪と野江は生き別れてしまう。
それから10年後。大洪水で両親を亡くした澪は引き取られ、江戸の神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人に。野江は吉原にある遊郭に買い受けられ、幻の花魁・あさひ太夫と名乗っていた。
澪が苦心して生み出した料理が、別々の人生を歩む2人を再び引き寄せていく。
映画『犬神家の一族』や『セーラー服と機関銃』を筆頭に、1970年代から80年代にかけて娯楽映画の見かた・あり方を変えてきた革命的プロデューサー・角川春樹。製作者としてのみならず映画監督という顔も持つ御年78歳の角川春樹が、前作から約10年ぶり8本目の監督作にして“生涯最後の映画監督作”を完成させた。
原作は、作家・高田郁によるベストセラー小説シリーズ。