あの夜、母は父を、殺した。子どもたちの幸せと信じてー15年後、母が、帰ってきた。
どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、愛した夫を殺めた。それが最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去ったー
時は流れ、現在。次男・雄二、長男・大樹、長女・園子の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。
抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるが帰ってくる。
15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先はー
女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。