喜びも悲しみも乗り越えて結婚52年目。文句はあるけれど、いつまでも二人で
画家モリは94歳。猫、蟻、カマキリ、揚羽蝶、鬼百合…毎日、庭のちいさな生命たちを飽くことなく眺め、絵を描いてきました。
50歳を過ぎてようやく認められ、近頃はどうにか暮らせるようになってけれど…相変わらず周囲の期待通りには筆が進みません。
妻・秀子は76歳。生活のことなどどこ吹く風の夫と世間の間に立ち、時に光と影を包み込み、毎夜アトリエに送り込みます。
子どもを亡くす経験もし、決して平坦な52年の結婚生活ではありませんでした。二人は、じかに優しい言葉をかけ合うことはしませんが、ふと漏らす言葉に互いへの深い敬意と愛情がうかがえるのです。
山崎努と樹木希林という、ともに日本映画界を代表するベテランが初共演を果たし、伝説の画家・熊谷守一夫妻を演じた人間ドラマ。
モヒカン故郷に帰る」「横道世之介」の沖田修一監督が、モリ夫婦を取り巻く人々の魅力的な生き方を温かな視線で描き出したオリジナルストーリー。