一生ものの友達 一生ものの恋 ともに奏でた音楽 僕らの10年の物語
医師として病院に勤める西見薫。忙しい毎日を送る薫のデスクには1枚の写真が飾られていた。笑顔で写る三人の高校生。二度と戻らない、“特別なあの頃”…
10年前、父を亡くし親戚に預けられた薫は、家の中で居場所を見つけられないでいた。唯一、ピアノを弾いているときだけが孤独を忘れられる時間だった。
そんな薫が転校先の高校で出会ったのは、誰もが恐れる不良・千太郎と、その幼馴染の律子。律子に導かれ訪れた地下室で、荒々しく、けれども自由で楽しそうにドラムを叩く千太郎とジャズに、薫は心を奪われる。
その日を境に、憂鬱だった毎日は楽しいものへと変わり、ピアノとドラムでセッションし、三人で過ごす楽しい毎日が始まる。やがて薫は律子に恋心を抱くようになる。だが、律子の想い人は千太郎だと気づいてしまう。
律子の想いに全く気付かない千太郎。だが、薫が羨む千太郎にも誰にも言えない孤独があった。千太郎は薫に、自分は教会に捨てられた孤児であり、今の家族が里親であることを告白する。お互いの心の欠けたピースを埋めあうように、二人は絆を一生ものの友情へと変えていく。
しかし、そんな幸せな青春は長くは続かなかった。ある事件を境に、千太郎は二人の前から姿を消してしまう。そして、10年が経ち-
主演・薫を演じるのは映画単独初主演となる知念侑李。薫と魂の片割れのような親友となる千太郎役に中川大志。
二人は本作の出演にあたり、約10か月におよぶ楽器の猛特訓を重ね、その努力の結果として奇跡に近いセッションシーンを魅せる。