カタチなんて、あとから合わせればいい 桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。
小学5年生のトモは、荒れ放題の部屋で母ヒロミと二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。ひとりきりになったトモは、叔父であるマキオの家へと向かう。
母の家出は初めてではない。ただ以前と違うのは、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。それはトモが初めて出会う、トランスジェンダーの女性だった。
「おかえり」
キレイに整頓された部屋でトモを優しく迎え入れるリンコ。食卓を彩るリンコの美味しい手料理に、安らぎを感じる団らんのひととき。
母が決して与えてくれなかった家庭の温もりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いながらも信頼を寄せていくトモ。その姿にリンコも愛おしさを覚え始める。
『かもめ食堂』『めがね』などで日本映画の新しいジャンルを築いてきた荻上直子監督5年ぶりの最新作。
編み物をモチーフにLGBT(セクシャル・マイノリティ)の女性リンコを主人公にした、【荻上直子・第二章】と自身が公言する意欲作。
本作の“ヒロイン”に、『人間失格』『脳男』『土竜の唄』など、さまざまなキャラクターに果敢に挑んできた生田斗真が、監督たってのキャスティングで演じる。