繰り返しは退屈だ-昔のオレはどこにもいない
新しいサウンドを求め続けたジャズの帝王。いま初めて明かされる天才の狂気と真実。
1970年代後半のニューヨーク。長らく音楽活動を休止中のマイルス・デイヴィスの自宅に、彼のカムバック記事を書こうとしている音楽記者デイヴが押しかけてくる。
しかし体調不良に苦しみ、ドラッグと酒に溺れるマイルスは、創作上のミューズでもあった元妻フランシスとの苦い思い出にも囚われ、キャリア終焉の危機に瀕していた。
やがてデイヴと行動を共にするうちに、悪辣な音楽プロデューサーに大切なマスターテープを盗まれたマイルスは、怒りに駆られて危険なチェイスに身を投じていく。その行く手に待ち受けるのは破滅か、それとも再起への希望の光なのか…
この念願の企画で監督デビューを飾り、トランペットの特訓を積んでマイルスの外見、性格、仕種を完璧なまでに体現したのは、『ホテル・ルワンダ』や『アベンジャーズ』シリーズで知られる俳優ドン・チードル。マイルスが遺した珠玉の名曲を全編にフィーチャーし、エンディングでは彼の音楽性を今に受け継ぐ豪華ミュージシャン競演によるライヴ・シーンを実現。
まるで一瞬のひらめきのように偉大なるカリスマの魅力の“すべて”を凝縮し、あらゆる観客に驚きに満ちた発見と刺激をもたらす野心的な快作がここに完成した!