台風の夜に、偶然ひとつ屋根の下に集まった“元家族”。夢見た未来と、少しちがう今を生きる大人たちへ贈る感動作。
笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男・良多。15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。
元妻の響子には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを贈る母の淑子だ。
ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、偶然取り戻した、一夜限りの家族の時間が始まるが―
「海街diary」「そして父になる」など、海外でも高い評価を受ける是枝裕和監督の最新作。
良多を演じるのは阿部寛。ときに可笑しく、ときに切なく、またチャーミングに情けない男を演じる。
“海よりもまだ深い”人生の愛し方を教えてくれる、心に沁みる感動作が誕生した。